Beauty News vol.10 | 一大トレンド「クワイエット・ラグジュアリー」とヘアスタイル

2024.01.31

ランドプランニングアソシエーツがお届けする「美容・ヘア」情報です。
話題のニュースやトレンドを織り交ぜながら美容業界の今をお伝えします。

 

“品”や“質”で魅せるファッショントレンドがヘアカラーにも影響

 

2024年も幕が明け、新しい流行が美容業界に新たな価値観を与えるそんな予感です。昨年の秋冬の一大トレンドに浮上した「クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury)」。文字通り「静かな」「控えめな」ラグジュアリーを指して表現されたトレンドです。一目でハイブランドだと分かるロゴ装飾や見せびらかしのような派手目な表現を避けて、“品”や “質”を重要視し、魅せるという流れです。この“品”や “質”で魅せるファッショントレンドは少なからずヘアカラーにも影響してきていると感じています。

 

昨年の春辺りからリモートではなく街に出社する人が増加したことで派手目な装いから落ち着いた装いになってきています。その事に加え、コロナ禍で広がった“生活を豊かにする”、“心地よく過ごす”という消費行動の広がりが“質”を重視する価値観を浸透させました。見た目の派手さより“品質”で魅せるトレンド「クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury)」の定着に一役担っているのだと考察します。

 

“トリートメントストレート”が注目を集める

 

そんな影響からか、昨年の春までは“ハイトーンカラーブーム”が業界を席巻していましたが、その年の夏からベージュやブラウンなどの暖色系カラーが目立ち、色と同時に質感(ハリ・コシ・ツヤ)を求める傾向が強く感じられます。そのため現在、髪の傷みを可能な限り抑えて伸ばす“トリートメントストレート”が注目を集めています。

 

そこには、ハイトーンブームの流れでブリーチをしたユーザーの中に「ストレートにしたい」という要望があり、その声の高まりが少なからず起因している様子も伺えます。

 

本質の美しさの表現は色やスタイルだけでなく髪質にも

 

また、毎年12月初頭にパントン社(PANTONE)が発表するトレンドカラー「2024年カラー・オブ・ザ・イヤー」に選出した色が「ピーチ ファズ(Peach Fuzz)」で、この色はピンクとオレンジの中間に位置し、“温かく心地の良い色合い”、“微妙に官能的”、“繊細でありながら甘くて軽やか”と色のイメージを表現しています。一昨年2022年の「ベリー ペリ(Very Peri)」、昨年2023年の「ビバ マゼンタ(Viva Magenta)」と、近年力強い印象の色が選出されてきたことを考慮すると、今年の落ち着いた温かみにある色の選出は上記で述べた「クワイエット・ラグジュアリー」のトレンドに通じるものを感じます。

 
カラー・オブ・ザ・イヤー、トーン・オン・トーン、サーキュラーエコノミー

 

他にはファッショントレンドとして同系色でまとめながら、少しだけ色をずらし、素材感を際立たせる「トーン・オン・トーン」や、美容業界では環境に負荷をかけず人を美しくする「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を取り入れた、サロンでの運用業務の広がりなどがこの流れに通じているようです。

 

今後、“瞬発力のある華やかさ”ではなく、 “本質を捉えた美しさの表現”と “その美しさを取り巻く環境との関係性にも配慮ができる” バランス感覚みたいなものが問われ、求められていくのではないかと考察します。

 

髪も同様に色やスタイルだけに止まらない、個々人が持つ髪質を含めた“髪本来の美しさを引き出した表現”を具現化していく、そんな流れが美容業界(サロン業界)で今後強くなっていくのではないでしょうか。

 

ランドプランニングアソシエーツ広報より。

 

出典:Pantone LLC 「PANTONE Color of the Year 2022, 2023,2024」