Beauty News vol.7 | 単価アップの決め手は高付加価値サロンへの転換

2023.07.11
Beauty News

ランドプランニングアソシエーツがお届けする「美容・ヘア」情報です。
話題のニュースやトレンドを織り交ぜながら美容業界の今をお伝えします。

 

サロンユーザーの利用金額は過去最高に

 

昨今の美容室では、ブリーチオンカラーなどのハイトーンカラーのトレンドが続き、多様な色のカラーリングが需要を伸ばしています。それに伴いカラーリング時のダメージを補修するヘアケア需要も高まり、メニューの単価アップが進んでいる模様です。
実際、全国理美容製造者協会の23年サロンユーザー調査では2022年の1回あたりの利用金額は過去最高の8,403円で19年比で1,000円以上もアップしています。

 

カラー人気でも安心はできない

 

しかし、理美容市場において、これまで堅調な需要を見込めていたグレイカラーが「白髪ぼかし(周囲の髪を明るくして白髪を目立たなくする)」などのメニュー提案で従来のブラックやブラウン一色の白髪染めが人気を失いつつあります。
また、脱マスクが進みカラーメイクが売れ始め、流行りの色に合わせた髪色に変えたいと思う女性心理からコロナ下から人気のあったハイライトカラーも、いつ下火になってもおかしくない可能性を秘めています。

 

トレンド変化への対応力が収益に影響

 

今後、変動の激しいトレンドへのスピーディーな対応力が収益に大きく影響されるのではないでしょうか。例えば、コロナ感染拡大で始まった20年初頭には多くのヘアサロンが苦しい状況に追い込まれ、外出自粛による来客の激減や商業施設の休業による一時閉店などで一時的に収益ゼロとなった店は少なくありませんでした。
そのため店を畳むサロン、カット中心やカラー中心の事業構造にシフトチェンジしていく流れも生まれつつありました。しかし、どの事業構造も高リスクであったことが判明し、その他の解決策として店販強化に注目するサロンも増えたようです。

 

そこで理美容メーカーではECを活用したサロンでの店販品売り上げのバックアップとなる販売システムを構築するという流れが生まれましたが、実際にはサロンの売り上げに占める店販比率は7%~8%と大きく変わっていないようです。

 

その中で一部のサロンではトレンドの変化にいち早く対応し、デジタルミラーなどの活用でヘアサロンでの体験価値を高め、店販品の販売につなげたり満足度を上げたりして、その流れで技術料の値上げに踏み切るサロンも現れてきています。

 

単価アップが受け入れられる今が転換期

 

いずれにしてもサロン利用者男女2619人を対象とした「美容サロン価格改訂に関する調査(2023年3月:ホットペッパービューティーアカデミー調査)」で「あなたが直近半年以内に利用したヘアサロンで料金の値上げ/価格改定はありましたか。」という質問に対し、「値上げあり(今後含む)」と約40%の方が回答しており、単価アップは時代の流れになっているようです。

 

あなたはその値上げに納得していますか?

 

また、価格改訂があったのは『カット料金』が最多で90%弱の利用客がカットの値上げを実感しています。その中で注目されるのが「あなたはその値上げに納得していますか。」という質問に対し「納得している」「どちらかといえば納得している」と回答した方が70%を超えていたことです。値上げに納得できる方が増えている現在、単価アップのきっかけとなるアイデアを取り入れて高付加価値サロンへ転換できるタイミングではないでしょうか。

 

ランドプランニングアソシエーツ広報より。